2022年3月26日 第2回東名古屋医師会日進支部企画講演会「楽しく学ぶ糖尿病教室」

ID番号 N12955

更新日:2022年04月04日

血糖値が高いと言われたら

<市民スタッフ 三鬼一朗>

代表的な生活習慣病「糖尿病」をテーマとする講演会が3月26日、市民会館で開かれました。「血糖値が高いと言われたら?」専門医でもある福岡一貴・ふくおか内科クリニック院長が講師となって、会場の参加者と質疑応答しながら、正しい知識を身に付け、自己管理が行える糖尿病の理解を求めました。

市民会館で開かれた糖尿病教室

市民会館で開かれた糖尿病教室

講演会は東名古屋医師会日進支部が市民公開講座として昨年に続き開催しました。東名古屋医師会は日進・長久手・豊明・東郷の3市1町で診療所や病院を開設している医師とそこに勤務している医師たちで構成されている団体です。日進支部では2018年から休日急病診療所を管理運営しているほか、行政から委託された各種検診や学校医・産業医などさまざまな地域医療に携わっています。

この日の講師・福岡一貴さんは糖尿病・内分泌内科の専門医として、また基幹病院の内科医師として多くの患者を診療し、昨年、生まれ育った赤池町で「ふくおか内科クリニック」を開院しました。

講演会場は市民会館小ホール。コロナ禍で運動不足や過食による糖尿病を心配する人も多かったのでしょう。約110人が会場を埋めました。

メモを取りながら耳を傾ける参加者

メモを取りながら耳を傾ける参加者

講演会は2部構成で、福岡さんは「糖尿病は血管の病気なんです」と第1部「糖尿病ってどんな病気?」を切り出します。「血糖値が高い状態を放置すると血管が痛んだり詰まったりして末梢神経に機能不全が起き、脳梗塞や心臓病につながるだけでなく眼や腎臓の合併症を発症します。糖尿病は慢性の全身疾患なんです」と福岡さん。「し(神経)、め(眼)、じ(腎臓)と覚えてください」と解説しました。

会場の参加者と質疑応答しながら講演する福岡講師

会場の参加者と質疑応答しながら講演する福岡講師

糖尿病患者は年々増え続け、腎臓を人工透析する人の43%がその患者だそうですが、人類と糖尿病の戦いは紀元前2000年頃までさかのぼり、古代エジプト王朝の医学書には糖尿病と思われる症状とその対処法が記載されているそうです。福岡さんはまた「日本では平安時代の藤原道長、その後の源頼朝、織田信長、徳川家康、西郷隆盛らが糖尿病を患っていたと思われます」と興味深い話を紹介します。

糖尿病にまつわるエピソードもあり楽しく学ぶ参加者

糖尿病にまつわるエピソードもあり楽しく学ぶ参加者

第2部は「糖尿病の治療とは?」です。福岡さんは「生活習慣病の代表選手ともいえる糖尿病は、不治の病ではありませんが、恐ろしい病気であることも間違いありません。そのため、正しい知識を持って自己管理が行えるようにすること。血糖値などの数値を知っておくことです。合併症の予防や軽減には健康的でバランスのとれた食事、1日20分以上の適度な運動と適切な体重管理を継続して行うことが不可欠です」。体重などの数値を下げるために行うむやみな制限は腎臓を壊したり筋肉を弱め、ひいては寿命を縮めることを知っておいてください、とアドバイスしていました。

会場の小ホールには110人が詰め掛けた

会場の小ホールには110人が詰め掛けた

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