2023年3月4日 第3回東名古屋医師会企画講演会「これでまるわかり!眼科の疑問にお答えします」

ID番号 N14058

更新日:2023年03月09日

いつまでも健康な目でいましょう

<市民スタッフ 三鬼一朗>

目の病気や気になる症状など、誰もが知りたい眼科の疑問に分かりやすく答える講演会が4日、市民会館で開かれました。梅森台に眼科診療所を開設する医師・高瀬範明さんが、「物が見えにくくなってきたりしたら『年のせいだから』と済ますのではなく、病気を疑い、検査や対策をすることが大切」と説きました。

注釈:高瀬範明さんの「高」ははしごだかです。機種によって正しく表示されない場合があるため、「高」を使用しています。

市民会館で開かれた東名古屋医師会日進支部の講演会

市民会館で開かれた東名古屋医師会日進支部の講演会

企画講演会は日進・長久手・豊明・東郷の3市1町の医師らで構成する東名古屋医師会が3年前から毎年テーマをもって開催しています。今回、眼科講演会の講師・高瀬範明さんは県立千種高校から富山医科薬科大学(現富山大学)を卒業後、地元の愛知県に戻り、名古屋市立大学大学院(眼科)を経て医局関連の病院で診療に携わってきました。2020年11月に「梅森たかせ眼科」を開院し、この2年間で白内障など約1200件の手術・治療を行っている専門医です。

第3回の企画は「いつまでも健康な目でいるために」

第3回の企画は「いつまでも健康な目でいるために」

講演の冒頭で「なぜ目は二つあるの?」と会場に問うた高瀬さん。「左右の目から別々に送られてきた像を脳が足し算するので立体的に見えるのです」と説明し、目と脳の作業に不都合が起きると「かすむ」「ぼやける」「しょぼしょぼする」「まぶしい」などの症状が発生すると解説します。こうした初期症状をきっかけに調べてみると緑内障や白内障といった病気が見つかることがよくあると指摘し、「だから」と高瀬さん。「目の不調は『年のせいだから』などと放っておかず、早めの検査が大切」と強調し、「眼科の検査は何をやっているの?」というところから、疑問に答える形で講演を進めました。

疑問に答えながら講演する高瀬講師

疑問に答えながら講演する高瀬講師

まずは白内障です。80歳で100%の人がなる病気で、完全に治すには手術するしかなく「レーザーで水晶体の濁りを取り、10分程度で済む痛みのない手術です」と高瀬さん。「見えにくくなったらまずは検診。85歳くらいまでの手術を勧めている」そうです。

続いて、中途失明の第一原因になっている緑内障。網膜の視神経が圧迫され視野が狭くなる病気で、60歳以上では10人に1人が緑内障と言われています。狭まった視野が回復することはないので、進行を止めることを目標に治療を行い、眼圧を下げる目薬を使っても目標に届かない場合に手術やレーザー治療を行うということです。

見えにくさを放っておいてはいけません、と高瀬講師

見えにくさを放っておいてはいけません、と高瀬講師

疑問に答える講演は続き▽近視のメカニズムとその進行を抑えるコンタクトレンズや目薬の効果▽眼の表面が乾いてしまうドライアイの原因と角膜を色素で染める治療方法▽額の皺(しわ)と瞼(まぶた)が下がる眼瞼下垂症の関係▽高血圧症の診断治療に広く利用されている眼底検査▽黄斑変性症と糖尿病との関係……等々、さまざまな病気や症状に説明を加えていくのでした。

会場の小ホールには200人が詰め掛けた

会場の小ホールには200人が詰め掛けた

この日、会場の市民会館小ホールには150席が用意されましたが、来場者が引きも切らず50席を加えるほどでした。通路まで埋まった参加者はメモを取りながら、講演の結びの言葉を胸に刻んでいるようでした。「目の病気の初期症状は自覚しにくい。少しでも気になることがあれば、まず検査を!」。

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