2022年12月11日 人権シンポジウム「LGBTQ講演会」
自分らしく生きられる社会へ
LGBTQや性的マイノリティについて、教育やスポーツなどの視点から深掘りするシンポジウムが11日、市民会館で開催されました。参加者は、講演やパネルディスカッションを通して考えを深めました。
シンポジウムの冒頭、人権擁護委員から活動内容や人権についての話があり、金子みすゞの詩の一節「みんなちがって、みんないい」が、活動の上で大切にしている言葉として紹介されました。
基調講演では、風間孝さん(中京大学教育教育研究院教授)、杉山文野さん(NPO法人東京レインボープライド共同代表理事、日本オリンピック委員会理事)の2人が登壇。
風間さんは、「学校と教育」をテーマに、性の多様性を自分事としてとらえることが重要であると説明しました。性的マイノリティについて自身の講義でアンケートを行った際、他人ならば「個人の自由だからいいと思う」と回答する人が多かったのに対し、家族が性的マイノリティであると抵抗を覚える人の割合が増えた、という結果を紹介。「他人事としてとらえていて、『いい』というより『どうでもいい』と感じているのでは」と話しました。
また、「マジョリティの持つ特権を自覚することが大切です」と呼び掛け、性的マイノリティは声を上げにくい社会環境の中にあるため、「アライ(性的マイノリティの人々をサポートしたいと思う人)が声を上げていくことで、社会を変えていける可能性がある」と締めくくりました。
杉山さんは「家族とスポーツ」をテーマに自らの半生を紹介。フェンシング元女子日本代表という経歴からオリンピック委員会理事を務めるまでの過程や、3人で育児をする生活などを語り、参加者は熱心に聞いていました。
基調講演後には、講師2人、モデレーター、NPO法人ASTAのメンバー2人によるパネルディスカッションが行われ、互いに気になっていることを尋ね合ったほか、参加者からの質問に答えました。当事者となった子に対して、親が望ましい対応をできないケースに触れ、「正しい知識を親が持っていない場合がある」「乳幼児健診の際、保護者に人権のことを知ってもらう時間をつくれるといいのでは」など話し合いました。
質問は講演会の休憩時間中に紙に書いて提出する形でしたが、多くの質問が寄せられ、講演会が終わった後も講師らへ話を聞きに行く人たちの姿が多く見られ、関心の高さがうかがえました。(牧)
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更新日:2022年12月26日