2022年11月8日 令和4年度日進市健康講演会

ID番号 N13730

更新日:2022年11月11日

脳とこころとからだのリフレッシュ~脳と腸の関係を中心に~

<市民スタッフ 三鬼一朗>

恒例の日進市健康講演会が8日、市民会館で開かれました。講師の水野正明・名古屋大学医学部附属病院教授は「第2の脳」とも呼ばれる腸と脳との間には密接なコミュニケーションがあり、腸の健康が脳を活性化させると解説しました。

市民会館で開かれた健康講演会

市民会館で開かれた健康講演会

令和4年度講演会の講師・水野正明さんは名古屋大学医学部附属病院「先端医療・臨床研究支援センター」をけん引してきた脳神経外科の専門医(医学博士)です。本市との関わりも深く、市民の健康づくりを推進するために考案された「にっしん体操」を監修した人でもあります。

講師の水野・先端医療・臨床研究支援センター長

講師の水野・先端医療・臨床研究支援センター長

講演は冒頭、サルと類人猿が分かれたとされる700万年前にさかのぼります。水野さんはサルとの違いを決定づけたのは類人猿の胃腸が弱かったためであり、そのことが「思いやりと感謝」という「こころ」を生みだし、人類を誕生させたと言います。「腸が人類を生み出した」と切り出しました。

サルと類人猿の違いを説明する水野さん

10の権利を鳥で表現している絵もありました

続いて水野さんは私たち生き物の体は「腸」から作られ、脳はその一部が進化したものと説明。脳の膨大な神経細胞がネットワークを作ることで「こころ」が生まれ、その発達の仕方などについて先人たちの研究やデータ、浮かび上がっている数々の課題を紹介しました。

興味深い話に聞き入る参加者

興味深い話に聞き入る参加者

後半は、脳と腸の関係についてです。「腹黒い」「腹の虫が治まらない」「腹を探る」……。日本語には「腹」で人の心を表す言葉が多いのも、おなかと脳がつながっていることを体験的に知っていたからだといいます。
脳と腸は密接に情報を交換し合っていて、一方が不調だと他方も正常に働かなくなる関係にあり(脳腸相関)、「脳に次いで多くある腸内の細菌が過剰になったり不足したりすると、さまざまな疾病の原因になることも分かってきました」と水野さん。腸内細菌が作りだす物質は体の健康の維持・向上と、心の健康状態をよくする方向に役立つと解説します。
では、どのようにして健康な「脳腸相関」を培っていくのか。水野さんは「快眠と適度な運動、きちんとした食事などライフスタイルの改善、つまり、脳とこころとからだのリフレッシュが腸内環境を変えます」とアドバイスしました。
会場では約60人の参加者が聞き入り、講演後には熱心に質問をするなど知識を深めていました。

熱心な質問が相次いだ講演会

熱心な質問が相次いだ講演会

この記事に関するお問い合わせ先

情報広報課広報広聴係
電話番号:0561-73-3149  ファクス番号:0561-73-6845

ご意見・お問い合わせ専用フォーム