2022年10月4日 令和4年度介護予防講演会

ID番号 N13602

更新日:2022年10月13日

認知症とともに生きる~人とつながり自分らしく歩んでいこう~

<市民スタッフ 三鬼一朗>

認知症の理解を深めるために自らの体験を発信している「愛知県認知症希望大使」の対談講演会が4日、市民会館で開かれました。認知症が多くの人にとって身近なものになっているだけに、参加者は希望を持って自分らしく暮らしている「大使」のメッセージをかみしめているようでした。

対談講演「認知症とともに生きる」

対談講演「認知症とともに生きる」

「愛知県認知症希望大使」は認知症の理解を深めてもらうために、認知症のご本人に自らの経験や考えを広く伝えてもらおうと、厚生労働省の方針を受けて愛知県が昨年創設しました。「大使」を委嘱されたのは、ご本人やその家族らに元気を与えたい、そんな思いを強く持っているという名古屋市在住のお二人。「認知症とともに生きる」を発信し、県内各地で普及啓発に努めています。

70人で埋まった対談講演

70人で埋まった対談講演

この日の対談講演「認知症とともに生きる」の「希望大使」は内田豊蔵さん(80)。名古屋市バスの運転手などを経て自動車関連部品の開発・販売会社を立ち上げ、40年にわたり経営してきました。75歳の時アルツハイマー型認知症と診断されたそうです。

講演会は希望大使の支援者で愛知県作業療法士会の眞智さおりさんとの対談形式で進められ、内田さんは認知症の診断を受けた時の心境や生活面での変化、人に会ったり外出した時の心配事、困ったことや楽しみ、健康法など日常のあれこれを問われるままに話していきます。

希望大使の内田豊蔵さん(右)と対談の眞智さおりさん(左)

希望大使の内田豊蔵さん(右)と対談の眞智さおりさん(左)

内田さんは時折「話が出てきません」と困った様子も見せながら、笑顔を絶やしません。希望大使の役割について「認知症の当事者には前向きになってほしいという思いだけで啓発のお手伝いをしています」と話し、「自分らしく前向きに過ごす秘訣(ひけつ)は?」と聞かれて、こう答えるのでした。

「認知症だからといって閉じこもるのではなく『自分にないものは相手が持っている』と考え、『人に頼る』『助け合う』気持ちでいることです」。

メッセージをかみしめる参加者

メッセージをかみしめる参加者

約30分の対談の後、内田さんは別室で本人交流を希望した当事者たちと経験や考えを語り合います。講演会場の小ホールでは眞智さおりさんの進行で「対談を受けて、自分にできることを考えよう」をテーマにミニワークショップが開かれ、日常生活における工夫や周囲の支え方などについて質問・意見・提言を募りました。

昨年に続き2回目となるこの日の講演会はオンラインの参加者も多く、認知症が多くの人にとって身近なものになっていることをうかがわせました。

ミニワークショップで示された「自分にできること」の数々

ミニワークショップで示された「自分にできること」の数々

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