2021年8月7日 にっしん平和のつどい2021

ID番号 N12165

更新日:2021年08月24日

いろいろな平和のかたち

<市民スタッフ 大岡奈美子>
日進市は平成7年(1995年)に非核平和都市宣言をしています。市役所の玄関にある少女のブロンズ像「平和」はその記念に建てられたものです。太平洋戦争の終結から76年目の夏の今年も「にっしん平和のつどい2021」(日進市市民協働課主催)が7月27日から8月8日まで図書館で開催され、多くの人が訪れました。
開演前に満席に。関心の高さがうかがえました

開演前に満席に。関心の高さがうかがえました

10年以上前から、毎年夏に開催されている「にっしん平和のつどい」。日進市と平和活動団体が協力し、平和に関する展示の他、映画上映や講演会、そして語り部による戦争体験の話などが行われました。
今回上映された映画は、ノーベル平和賞を受賞したサーロー節子さんの長編ドキュメンタリーである「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」。核兵器禁止条約発効実現の大きな原動力として、世界で最も尊敬される女性の一人といわれているサーロー節子さん。令和3年(2021年)1月22日に条約が発効された核兵器禁止条約のニュースに関心を持った人の多さを物語るかのように、当日用意された椅子は開場後間もなく満席となっていました。映画の中で語られた、13歳で被爆した節子さんの生々しく悲惨(ひさん)な状況の体験談は、耳をふさぎたくなりましたが、それがあの日広島で起きていた現実でした。そして、その体験を抱えながら、海外で「ヒバクシャ」として生きていく強い姿、そして「伝えること」に使命感をもって取り組み、真実を話していくサーロー節子さんの姿にとても感銘を受けました。
いろいろなテーマの展示がありました

いろいろなテーマの展示がありました

たくさんの本が並べられており、興味を持った本は借りることもできました

たくさんの本が並べられており、興味を持った本は借りることもできました

展示コーナーでは、「平和」という視点から、さまざまなテーマの展示がありました。「日本国憲法第9条について」「戦争中に学童疎開を経験した話について」などのテーマ展示の他、実際に戦時中使用されていた物品の展示もありました。また平和と戦争関連の本がたくさん並べられました。訪れた人たちは参加団体のメンバーの説明に耳を傾けながら展示を熱心に見たり、並べられた本を手に取って読んだりしていました。本を熱心に読んでいた小学生の女の子は、「家族と離れてしまう集団疎開には絶対行きたくないと思った。疎開しないと空襲とかで危険というのは分かるけど、私だったら嫌だと言うかも」と話しました。
アンネのバラ写真展

アンネのバラ写真展

また、アンネ・フランクゆかりの「アンネのバラ」の写真も飾られました。「アンネのバラ」はアンネの父オットー・フランクによって平和のシンボルとして日本に贈られ、各地に広がっています。日進市でも「アンネのバラ」を広めていこうという活動が6年ほど前からあり、活動に賛同する市内在住の人たちが撮影した見事なバラの写真が、「みんなのおうちのアンネのバラ写真展」として展示されました。同じ市内に平和のシンボルのバラがこんなに見事に咲いていることに驚いたと同時に、このような視点の「平和」もあると気付きました。実はこの「アンネのバラ」は市役所や市民会館に植えられただけでなく、日進市内の全小中学校にも寄付されているとのこと。とても身近な「平和」を探してみる楽しみができました。
戦争の悲惨な歴史を忘れないように、という視点だけでなく、身近にある平和や、世界で考えられている平和についてなどの展示はとても興味深く、「にっしん平和を考える会」の丹羽和代さんは「平和を考えることイコール戦争を考えること、というだけでなく、それぞれの立場の人が『平和』について考えるきっかけになってもらえればいいなと思います」と話しました。

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