2024年3月14日 使いやすい形の発見!(ウッドクラフト)

ID番号 N15906

更新日:2024年04月05日

デザインは試行錯誤

 木材でできたいろいろな物について、話を聞いたり実際に触って調べたりする、名古屋学芸大学連携講座「使いやすい形の発見!(ウッドクラフト)」が3月14日、市民会館で開催されました。参加者たちはデザインについて学んだり、木材加工を体験したりしました。

講師の話を真剣に聞く受講者たち

講師の話を真剣に聞く受講者たち

 同講座は、名古屋学芸大学メディア造形学部デザイン学科教授の金昌郁(キム・チャンウク)さんが講師を務めました。金さんは韓国出身で、約30年前に来日し、日本でデザインや物作りの仕事や勉強に取り組んだということです。まず、自身の経歴についての紹介から始まり、デザインや物作りにまつわる思いや経験談などについて話しました。金さんは「良い物は(人々が)『わー』と笑顔になる物」だと語りました。

 次に、金さんが実際に制作した、木製のナイフやスプーンの試作品が多数テーブル上に並べられ、参加者たちは自由に触れてデザインの違いを体感しました。どこを削るかが重要で、ラインを1つ付けたり削ったりすることでデザインが大きく変わるため、美しいラインを探って数々の試作品を作ったということです。少しの水や塩の加減で味が変わる食べ物とデザインは、性質が似ているということで、日頃から学生に「繰り返してデザインをするとより良くなる。1発では難しい」と説いているそうです。

講師から受講者へアドバイスが行われます

講師から受講者へアドバイスが行われます

靴べらを磨く体験をする受講者たち

靴べらを磨く体験をする受講者たち

 その後、いろいろな長さや厚みで試行錯誤して制作された靴べらが並べられ、参加者たちは手に取って確認しました。複数制作する過程の中で改善を試みたそうですが、結局元のデザインの方が良いとなったケースもあると紹介されました。学生には日頃から「美しい形はバランスと比例する」と伝えているそうです。

 最後に、クルミやケヤキなどのいろいろな木で9割程度完成された靴べらを、参加者たちが自ら磨く体験をしました。サンドペーパーで削った後、木工用の植物性オイルを塗って磨き、拭き取りました。参加者たちは「最初と全然違う」「触ると気持ちがいい」「色が違う」と和やかに話を弾ませ、それぞれの作品を見せ合っていました。そして、自分で加工した靴べらは、講師からのプレゼントということで、自宅に持ち帰りました。

 デザインに関心があり受講したという岩崎町の山田修子さん(52)は「絵や音楽と同じように、デザインも繰り返して良くしていくというのが印象的でした。靴べらの体験が楽しかった」と目を細めました。(荒)
 

この記事に関するお問い合わせ先

情報広報課広報広聴係
電話番号:0561-73-3149  ファクス番号:0561-73-6845

ご意見・お問い合わせ専用フォーム