2024年3月10日 第4回東名古屋医師会日進支部企画講演会

ID番号 N15748

更新日:2024年03月15日

腎臓のお話~健診で腎機能異常を指摘されました~

<市民スタッフ 三鬼一朗>日進市の医師による恒例の講演会が市民会館で開かれました。今年のテーマは腎臓病。成人の7人に1人が慢性腎臓病といわれる新たな国民病です。機能が低下しても自覚症状がなく、いったん悪くなると自然に回復することのない臓器。腎臓を守るためにできることは何か、さまざまなデータを示しながら内科医が分かりやすく解説しました。

会場の様子の写真

市民会館で開かれた「腎臓のお話」講演会

講演会は東名古屋医師会日進支部(支部長・恒川敬和つねかわファミリークリニック院長)が主催し、今年で4年目となる市民公開講座です。今回の講師は内科医・西村眞樹さん。赤池町に「にしむら内科」を開設し、呼吸器・アレルギー、リウマチ、腎臓、糖尿病の医療を提供しています。新たな国民病、腎臓病を深く知る講演会とあって、会場の小ホールは150人の定員を大きく上回る190人で埋まりました。

講演を行う講師の写真その1

「腎機能障害を指摘されたら?」と講師の西村さん

「腎臓は尿を作るだけの臓器ではありません」。内科医16年という西村さんはこんな話から講演をスタートさせ、「1日150リットルもの血液を濾過(ろか)し、余分な酸を排出することによって体を弱アルカリ性に保ち、血圧を調整したり、貧血にならないようにしてくれているのです」。腎臓は体を正常に保つ重要な役割を担っていると説明します。
続けて西村さんは尿の不調など腎機能が低下してきたときの症状を解説し「悪くなっても自覚症状はほとんどなく、手足のむくみや疲労感など不調を感じたときには病気がかなり進行しています」。腎臓は自然に回復することのない臓器なので、その働き具合や状態を健診で調べる必要性を強調しました。

講演を行う講師の写真その2

朝と夜の血圧測定を説く西村さん

では、腎臓を守るためにできることは何か。西村さんは慢性腎臓病と関係する生活習慣として、喫煙や一定以上のアルコール、コーヒーなどの摂取の他、塩分制限の取り組みを力説しました。人体は血液の中に塩分(Na)が0.9%になるよう保たれていますが、塩分を取り過ぎると腎臓は0.9%になるよう水分を過剰に引き寄せ、これが高血圧や濾過機能の低下になっていくのだそうです。西村さんは慢性腎臓病と塩分摂取量の相関データを示し「塩分は一日3グラムから6グラムまで。味付けや調理方法を工夫し、楽しく塩分チェックに取り組んでほしい」と訴え、家庭での血圧測定の重要性を説いて締めくくりました。

講演に参加する参加者の写真

熱心にメモをとる参加者

会場では用意した椅子が足りなくなるほどの190人が詰めかけ、熱心にメモを取っていました。講演会後半の質疑応答では会場から34件もの質問が寄せられ、西村さんは「塩分とタンパク質の制限」「水分の摂取量」「血圧のガイドライン」など、参加者の問いに丁寧に答えていました。

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