2023年10月24日 環境と文化の社会心理学

ID番号 N15382

更新日:2023年11月13日

私たちには動物や自然がどのように見えているのか

中部大学との連携講座である動物と自然環境の社会心理学が10月24日、市民会館で開催されました。普段私たち人間が動物や自然をどのように認識しているのかを、中部大学人文学部心理学科教授の坂本剛さんが社会心理学をベースに受講者に分かりやすく解説していきました。

講座が行われる教室の写真

講座が行われる教室内の様子

講座では、私たちにとって身近な存在であるイヌとネコを例に、ペット飼育の割合やその歴史を解説しながら、なぜ人は現在でもペットを飼いたがるのかをひも解いていきました。この問いへの回答として、有力な説をいくつか紹介し、その中の1つである「人間は、自然との結びつき願望を強く持っているから」について、ペットの飼育は、王権社会や貴族階級、部族社会などあらゆる人類の文化に定着しており、現代社会においてもペットを利用するのではなく、その関係に価値が見いだされているのではないかと語りました。身近なネコを例にした解説では、時折受講者の「へぇ」といった関心の声や、「ふふっ」といった笑い声が聞こえてくる内容となりました。 

画面に投影された資料を解説する講師の写真その1

身近なペットを例に解説を行う講師

ペット飼育の解説を行った後、動物愛護・保護に関わる問題にも触れつつ、自然との結びつき願望に関わる仮説についても紹介されました。また、健康に関するインタビューの結果から、居住環境の緑地が多いほど、「病気の症状が軽い」「主観的・精神的健康の度合いが高い」という結果が得られた調査の紹介など、私たちと自然環境の関わりと自然の重要性についても講座で語りました。

講座を終えて、受講者は「先生の話が分かりやすく引き込まれました」「1500万年前の歴史からひも解いていただいて、納得感があり、興味を持って聞くことができました」と話しました。今回は全3回の講座の初回となります。今回解説しきれなかった私たちと自然の関係については次回さらに詳しく解説されるとのことです。私たちが普段何げなく目にする動物や自然について、この講座を通して考えを巡らせるきっかけになればと感じました。(黒)

画面に投影された資料を解説する講師の写真その2

なぜ人はペットを飼いたがるのかを解説する様子

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