2023年12月7日 子ども食堂・フードパントリーのはじめかた講座

ID番号 N15363

更新日:2023年12月25日

食を通し地域を支え、未来をつくる

〈市民スタッフ 冨岡〉中央福祉センターで7日、子ども食堂の数やフードパントリーの実施頻度を増やそうと「子ども食堂・フードパントリーのはじめかた講座」が開催され、子ども食堂をつくりたい人や関心のある人、実践者など合わせて50人が参加しました。講座では、「子ども食堂とは?」といった基本からその意義、ノウハウまでを具体的に学び、参加者はヒントやアイデアを共有しました。

「子ども食堂」は、地域の誰もが集う新しい形のコミュニティーとして、全国にその取り組みが広がっています。子ども食堂の開催が難しかったコロナ禍においては、食材や弁当を必要とする人たちへ届ける「フードパントリー」の重要性にも注目が集まりました。今回が初の開催となる本講座は、専門家による講義、実践者からの事例報告、活動紹介、そしてパネルディスカッション・質疑応答という流れで行われました。

講師がスライドに投影した資料を参加者に解説する写真

子ども食堂やフードパントリーが果たす役割について話す講師

まずはじめに、社会福祉政策を専門としている野田博也さん(愛知県立大学教育福祉学部社会福祉学科教授)による「子ども食堂やフードパントリーが果たす役割とは?」と題した講義が行われました。2012年に子ども食堂が誕生した社会的背景からやりがいをどこに求めたら良いかといったアドバイスまで、野田さんの体験談を交えながら講義が進み、参加者は時折メモを取りながら熱心に聞き入っていました。 

講師が身振り手振りで解説を行う写真

野田博也さん(愛知県立大学教育福祉学部社会福祉学科教授)

野田さんは、継続するために大切なこととして「地域をつくっていくという階段を構築するイメージを持つこと」を挙げ、また、支援者が楽しめないと続かないとした上で「深刻に考え過ぎず、浅くてもなるべく広く長く続けること」と講じました。

実践者が登壇し参加者に話を行う写真

山崎正信さん(日進絆子ども食堂代表)

続いて、実践者からの事例報告として、日進絆子ども食堂を運営する山崎正信さんが登壇しました。山崎さんは定年退職後、2017年からいち早く子ども食堂を開設し、温かな食事を提供してきました。食堂もフードパントリーも全10学校区での実施が目標。市内でネットワークをつくり、助け合っていきたいと話しました。

活動紹介では、3組の団体がそれぞれ開設したきっかけや実際に運営している中で見えてきた課題などを話しました。

教室全体の写真

活動紹介で登壇した皆さん(講師席の左から浅井さん、飯野さん、阿尾さん、寺田さん)

活動紹介を行ったのは、9月から月1回の子ども食堂を開設した「子ども食堂Rinのおうち」の浅井裕子さんと飯野良江さん、11月から月1回のフードパントリーを始めた「中日青葉学園」の阿尾匡晃さん、企業などから寄贈された食品を福祉施設や団体へ無償で分配する事業を行う「フードバンク愛知」の寺田覚さんです。

教室の前に講師や実践者が並びで座っている写真

立ち上げの第一歩と持続可能な取り組みにするために

終盤に設けられた質疑応答では、参加者から積極的な質問があり、多くの意見を交換しました。利用対象者に関して「何か急に困ったことがあったときに気軽に相談できる信頼関係がすでにあるということが大切」という野田さんの言葉は印象的でした。地域の誰もが集う居場所として広く門戸を開いている意義に改めて気付かされました。

最後に、主催の社会福祉協議会の天野典幸さんから「みんなで暮らしの支え合い」活動運営助成に関する案内がありました。この助成金は、今年度からスタートした日進市社会福祉協議会独自のもので、これまで県や国からの助成を受けている団体も上乗せで受け取ることができる特徴があります。天野さんは「現在活動中の皆さまは、活動の安定に役立てていただくとともに、これから活動される皆さまは、一歩を踏み出していただくために活用いただきたい」と話しました。申請期限は12月28日までです。

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