2023年10月24日 第2回介護予防講演会

ID番号 N15234

更新日:2023年11月14日

認知症を正しく知る

認知症になっても安心して暮らせる地域づくりについての講演会が10月24日、市民会館で開かれ、37人の参加者たちが熱心に耳を傾けました。講演会では、認知症についての詳しい説明や認知症の人への対応法、他自治体での事例などについて、話がされました。
認知症について説明をする講師と耳を傾ける参加者らの様子

認知症について説明をする講師と耳を傾ける参加者らの様子

講演会は「認知症になっても安心して暮らせる そんな地域づくりを実現しましょう!」と題され、行われました。この日講師を務めたのは、名古屋学芸大学看護学部の名誉教授である石田路子さんです。石田さんは、医療・介護・障害分野の地域福祉、社会福祉を専門とし、地域共生社会をテーマとしたネットワークづくりや地域づくりの活動について幅広く講演を行っています。
まず、石田さんは「認知症の人と聞いてどんな行動を思い浮かべますか」と参加者に問いかけました。参加者たちは、「同じ話を何度も繰り返す」「怒りっぽくなる」「知らない所へ行ってしまう」などと、自身のイメージを話しました。
その後、認知症についての種類やメカニズム、治療法について説明がありました。認知症は病名ではなく、症状を示す総称であり、原因や症状もさまざまです。種類によっては手術などで完治することができるものもあるので、認知症に詳しい医師に早めに診てもらうことが大切であるとのことです。認知症のことを正しく知っているか知らないかで本人や周囲の人たちの人生が異なってくるので、正しい知識を持つことが大切であると石田さんは講じました。
講師の石田さんが参加者に語りかける様子

講師の石田さんが参加者に語りかける様子

認知症の人との接し方についても話がありました。認知症の人は、感情は生き生きとしているにもかかわらず、判断力は低下して理解が難しいことが多いそうです。家族であるが故に、認知症の人に向けて「どうしてわからないの」などと遠慮のない発言をし、トラブルが起きて症状が悪化することが多々あるとのことです。よって、家族だけで抱え込まずに周囲に相談をすることも良いと説明がありました。そして、冒頭で参加者らが答えた認知症の人のイメージは「メディアを通して植え付けられたものもあり、実情とは乖離(かいり)している」と石田さんは語りました。
今回の講演テーマの「認知症になっても安心して暮らせる地域づくり」については、福岡県大牟田市の事例が紹介されました。大牟田市では、日本でいち早くそのような地域づくりに取り組んだとのことで、多職種連携、多世代間の交流や地域協働を通して実行しているそうです。小中学校でも認知症を知るための取り組みが行われているため、自然と子どもたちが高齢者に声掛けをするような地域であることが説明されました。
会場に設置された認知症についての紹介コーナーの様子

会場に設置された認知症についての紹介コーナーの様子

最後に石田さんは認知症バリアフリー社会の実現について提言しました。まずは認知症に関する正しい理解をすること、次に地域での対策のためのマニュアルを整備すること、そして周囲に相談をするための連絡体制を整えておくことが大切であると話しました。最後に、何よりも認知症に対する偏見や先入観を取り除くことが重要であると説きました。
香久山在住の参加者の女性(70代)は「認知症の人とどのように接したら良いかわかりやすかったです。実際に当事者と接することがあるので、納得できることも多々ありました」と話しました。(荒)

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