2021年1月30日 知ってる?かいじょけん

ID番号 N11375

更新日:2021年02月10日

すごいぞ!かいじょけん

<市民スタッフ 大岡奈美子>
「かいじょけん(介助犬)」と聞いて何を思い浮かべますか。「盲導犬」「聴導犬」との違い、知っていますか。なんとなく分かるけれど、詳しくは知らない介助犬。その介助犬についてオンラインで分かりやすく説明する、市と愛知淑徳大学の提案型大学連携協働事業「知ってる?かいじょけん」が1月30日、市民会館で開かれました。愛知淑徳大学学生団体の「チームわんわん」、長久手市にある「介助犬総合訓練センター~シンシアの丘~」および会場をオンラインでつないで、訓練犬がどのように「お手伝い」するのかを見たり、大学生のクイズに答えたりして、参加した小学生たちは介助犬について理解を深めていました。

どのようにお手伝いをするのか見せてもらいました

どのようにお手伝いをするのか見せてもらいました

目の見えない人をお手伝いするのは「盲導犬」、耳の聞こえない人をお手伝いするのは「聴導犬」、そして手足が不自由な人をお手伝いするのが「介助犬」です。

その介助犬を訓練する場所が、愛知県長久手市にある「介助犬総合訓練センター~シンシアの丘~」で、社会福祉法人日本介助犬協会が運営しています。実際にカメラを通してトレーニング室や犬舎、宿泊型訓練室など、普段見ることのできない中の様子を見せてもらいました。犬舎には介助犬だけでなく猫も一緒に暮らしていたり、部屋の中には大きな鏡があったり、「なぜ?」と思うことがいろいろありました。それは犬が実際に仕事で道を歩くときに猫に驚いたり、自分の姿に驚いたりしないようにする訓練の一環だという説明に興味がムクムクと湧いてきました。そして実際に、椅子に座った職員に対して冷蔵庫の中の飲み物を取ってきたり、靴や靴下を脱がせて靴下を洗濯籠に入れたりするなどのデモンストレーションを見ました。もちろん、冷蔵庫のドアはきちんと閉めて、靴と靴下はくわえる力加減を変えて、足に歯が当たらないように靴下だけを脱がしていきます。人間以上だと思ったのは私だけではないはず。しかも、介助犬はそれらの仕事一つ一つを楽しんでしてくれているということで、常にしっぽを振りながらご機嫌に仕事をする様子に思わず笑顔になりました。「訓練のときに、褒めて褒めて育てていくのがポイントなんです」と同センターの職員が話をしていました。その他にも、携帯電話の形を目で覚えて、部屋のどこかにある携帯電話を探したり、車の助手席に乗って、駐車場のチケットを取ったりするなど、いろいろな手伝いをしてくれる介助犬の様子を見せてもらい、「すごい!」と何度も拍手が起こりました。実際の介助犬の動画は社会福祉法人日本介助犬協会のホームページおよびYouTubeで見ることができます。

積極的に質問もしています

積極的に質問もしています

そんなすごい介助犬ですが、日本で国の認定を受けて社会に出て活躍しているのは57頭。体が不自由な人1万5000人に対して本当に足りないのが現状です。

訓練をしても、実際に認定を受けてデビューできるのはなんと2~3割。「介助犬として幸せに暮らしていけるか」に重点を置いてデビューするかどうか判断することや、パートナーが見つかって同センターで一緒に暮らす訓練をするときも、電車に乗るなどの実践を踏まえたものだけでなく、介助犬の褒め方や大型犬の扱いに慣れてもらうことも大切な目的になっているという話から、介助犬を大切に育て、丁寧な仕事をしていくという日本介助犬協会の愛情を感じました。

自分の意見を発表しました

自分の意見を発表しました

その様子を真剣に見て有意義な時間を過ごした参加者は、その後学生から出されたクイズにもほぼ全問正解で、「介助犬を広めるためには」という難問に対しても自分の意見を発表したり、終了時間が来てもオンライン越しに大学生と交流をしたり、同センター職員に「どうしてこの職に就いたのか」などの追加質問をしたり、今日のこの時間を十二分に楽しんでいました。

「介助犬を広めるためにはお友達に話をする」と答えていた東山から参加した小学校2年生と3年生の姉妹は「犬が好きで見てみたかったから参加しました。楽しかったです」と話をしていました。

介助犬に関する新聞記事、知らないことだらけでした

介助犬に関する新聞記事、知らないことだらけでした

コロナ禍でのオンライン講座でこれだけ興味を持てた介助犬。1頭の介助犬を育てるのに必要な費用はだいたい300万円ぐらいかかること、そして訓練をしても全頭が介助犬として認定を受けるわけではないという点からもいろいろな形の寄付金を受け付けています。同センターのホームページを見ると、定期的に見学会を開いていたり(現在オンライン見学会になることもあります)、ボランティアを募集していたり、かわいいチャリティーグッズが販売されていたり、団体が今まさに「欲しいもの」を私たちが提供できる方法が見つかったり、介助犬への興味を広げるヒントがたくさん書いてありました。介助犬の募金自動販売機や募金箱も身近な場所に設置してあるということなので、探して、ちょっと協力してみようかなと思いました。

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