2020年12月10日 古民家でつるし雛(びな)作り講座

ID番号 N11237

更新日:2020年12月29日

伝統と思いをつなぐひな飾り

<市民スタッフ 三谷勇太>
江戸時代から伝わる伝統文化の一つであるつるしびな飾り。ひな人形がとても高価だった時代に、家族や親戚、近所の人たちが、布の切れ端で人形を作って持ち寄り、ひな人形の代わりとして飾ったことがつるしびな飾りの始まりともいわれています。古くから日本人が子どもの幸せを願い作り続けてきたつるしびな飾り。その伝統と思いを守るつるしびな作り講座が10日、旧市川家住宅で開かれました。
旧市川家住宅で行われた講座

旧市川家住宅で行われた講座

今年で6年目を迎えるつるしびな作り講座では、市内でつるしびな飾りを作り続ける「わたげの会」の皆さんが講師を務めています。毎年抽選によって受講者が決められるほどの人気講座で、今年初参加の女性は「昨年は抽選で外れましたが今年は当選してうれしい」と話しました。

講師の指導を受ける受講者

講師の指導を受ける受講者

真剣に取り組む受講者

真剣に取り組む受講者

10月から始まり全4回からなるこの講座は、1講座ごとに少しずつ人形を作りそれをつなぎ合わせて一つのつるしびなが完成します。1月の完成を目標にして皆真剣に取り組んでいました。

いらなくなった着物で作るつるしびな飾り

いらなくなった着物で作るつるしびな飾り

つるしびな飾りの材料は受講者から提供されたものや有志で集められた着物の生地などが使われています。「古くなり着なくなった着物は処分に悩む、こうやって使ってもらえるならありがたいこと」と生地を提供した女性は話しました。また着物を再利用することで、「その着物を着ていた当時を思い出すことができる」と話す言葉がとても印象的でした。

現代の若い人にはなかなかなじみのないものかもしれませんが、先人たちがつないできた古き良き日本の伝統です。私自身としては伝統を伝え後世につないでいくことは、日本人のアイデンティティーを再確認する作業のように感じました。

どの時代を生きる人もわが子の健康や平和を願う気持ちは同じでしょう。そんな思いを、かわいいけれどどこか控えめなつるしびな飾りに込める。この取材を通して、少しだけ「日本の心」に触れたような気がします。

旧市川家住宅で講座が受けられるのもこの講座の魅力

旧市川家住宅で講座が受けられるのもこの講座の魅力

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