2020年7月1日 文学と映画を通して知るアメリカ(市民企画講座)

ID番号 N10429

更新日:2020年07月03日

作者の「無意識」から文学を読み解く

にっしん市民企画講座の「文学と映画を通して知るアメリカ」が1日、市民会館視聴覚室で開催され、10人の受講者が文学と映画を読み解き、アメリカ社会について学びました。

アメリカ社会について説明する講師と熱心に聞き入る受講者

アメリカ社会について説明する講師と熱心に聞き入る受講者

にっしん市民企画講座は、令和元年度から始まった市の事業で、市民が自身の特技を生かして講座を開いたり、自身の学びたいことを提案して講座を企画したりすることができるものです。今期は20講座が採用されました。

この日に開催された「文学と映画を通して知るアメリカ」で講師を務めたのは藤塚在住の武田悠一さん(72)です。武田さんは元南山大学教授で、2年前に定年退職をした後、本の執筆活動をしたり老人クラブで活動したりしています。これまでは専門書の執筆が中心でしたが、今後は一般の人向けの本も執筆したいと考えていて、そのための参考にしたいと本講座を企画しました。

作家のヘミングウェイについて語る武田さん

作家のヘミングウェイについて語る武田さん

第3回となるこの日は、1957年に製作されたアメリカ映画「武器よさらば」に焦点を当てて、「男らしさとは何か」をテーマに講義が進みました。この映画は、1929年に発表されたアーネスト・ヘミングウェイの長編小説「武器よさらば」が原作で、作家の生い立ちをたどることにより、小説の背景にあるテーマについて考察していきました。

ヘミングウェイは従来、小説においても人生においても、「ハードボイルド」や「マッチョ」という言葉で表されるような「男らしさ」が評されてきましたが、近年、フェミニズムの観点から解釈すると、異なる捉え方ができるようになったとの説明がありました。このように小説は、受け手となる「読者」がいて初めて成立するものであり、作者が無意識のうちに書かれたテーマが存在することが文学の面白みであると武田さんは語りました。

作家や小説についての解説の後、映画「武器よさらば」のエンディングを鑑賞し、ストーリーを振り返りました。

作家のヘミングウェイについて説明する講師と熱心に聞き入る受講者

作家のヘミングウェイについて説明する講師と熱心に聞き入る受講者

参加者の受講のきっかけはさまざまで、旅行の経験によりアメリカに興味を持っている人や、映画に興味があり、昔の懐かしい映画をもう一度見たい人など、それぞれ目的を持って受講している様子でした。

受講者の浅田町の茶谷宏三さん(86)は、「単にストーリーを追うだけでなく、バックグラウンドを知り、新しい観点で見られるのが面白い」と話しました。(荒)

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