2019年4月7日 大清水湿地公開

ID番号 N8097

更新日:2020年01月15日

春の風に誘われ花開く

総合運動公園を造成した際に見つかった湿地、斜面から湧き出る湧水によって斜面状湧き水湿地となっている大清水湿地で7日、公開観察会が行われました。ハルリンドウの開花の時期に1日だけ公開をしています。暖かく天候に恵まれたこの日は、100人を超す市民が訪れ、可憐なハルリンドウや食虫植物のコモウセンゴケ、満開をむかえたマメナシの木などの鑑賞を楽しみました。

日が高くなるに連れて次々に花が開いて

日が高くなるに連れて次々に花が開いて

青紫色の愛らしいハルリンドウ

青紫色の愛らしいハルリンドウ

1984年に発足した「日進自然観察会」(山崎文雄会長)は、約40人の会員が市内の川、湿地、里山を中心に、動植物の調査記録、観察、保護活動などを行っています。同会のメンバーがガイドを務め、来場者にこの湿地に生息しているハルリンドウのほかに、ノギラン、サギソウ、コバノミツバツツジなどの植物を解説していました。この湿地に生息しているハルリンドウは高山植物でありながら、高山のように湿気を保ち、水分が蒸発していく時に地熱を奪っていくので、生息しやすい環境になるそうです。青紫色の可憐な花を4月の上旬に咲かせ、2週間ほど咲き続けます。日が昇るとともに次々と花を開いていきました。

 

来場者に植物の説明をする山崎会長

来場者に植物の説明をする山崎会長

イノシシに掘り起こされ木の根元が盛り上がった湿地

イノシシに掘り起こされ木の根元が盛り上がった湿地

同湿地にはかつて、一面にコバノミツバツツジが咲いていたり、さまざまな植物が生息していましたが、人に踏み荒らされたり、持ち去られたりして数が減ったために、現在は年に1日だけの公開となっています。そのほかイノシシがミミズを掘り起こしたりして荒らした跡も至る所で見られました。山崎会長は「せっかくの自然な花をもっと市民の人に見てもらいたいのですが、そのために1日だけの公開で残念です」と話し、「今年は天気に恵まれ、ハルリンドウもたくさん花開きました。観察には絶好の日で、来場者も大勢来てくれてよかった」とにこやかに植物について説明してくれました。

かすかな香りを放つシュンランの花

かすかな香りを放つシュンランの花

湿地の近くにあるマメナシの木

湿地の近くにあるマメナシの木

万葉集の一説に出てくる新元号「令和」にちなんだ花「シュンラン」の花も見ることが出来ました。3月から4月に花を咲かせる小ぶりで色合いがいかにも日本らしい奥ゆかしい花です。山崎会長もこの花が咲くのは2カ所しか知りませんと話すほど咲いているのを見るのは珍しいようです。大清水湿地の公開はこの日1日ですが、総合運動公園ではまだ花を楽しめる時期が続きます。ぜひ足を運んでみてください。(越)

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