旧市川家住宅 これまでのコラム

ID番号 N5476

更新日:2019年03月01日

文化財建造物みどころコラム 第3号(平成25年12月)

旧市川家住宅主屋の変遷

旧市川家住宅主屋は現位置に築造されてから2013年時点で244年の歴史を有し、間取りなどで5段階の変遷があったと推定されています。

  1. 植田で享保年間(1716年~1736年)に建てられた伝聞のある当初の段階
  2. 明和6年(1769年)に移築された段階
  3. 嘉永年間(1848年~1853年)を上限とする絵図の段階
  4. 明治時代に改修された段階
  5. 近年に改修された現状

これらの変遷は、現況調査で部位の新旧を判断し、部材に残された墨書、古絵図(家相図)など残された資料によって裏付けられるものです。建築物としての家の歴史を見ていくと、時代背景や社会・生活様式の変化が色濃く反映されているようで、いろいろな想像が膨らみます。

墨書「天保八酉三月廾九日四代目主人□之」

扉の裏側に遺された墨書「天保八酉三月廾九日四代目主人□之」(天保8年は1837年)

文化財建造物みどころコラム 第2号(平成25年7月)

日進市初 登録有形文化財へ

 国の文化審議会(会長 宮田亮平)は、旧市川家住宅主屋ほか173件を国登録有形文化財として登録することについて7月19日(金曜日)に文部科学大臣に答申しました。
 今回の答申数を加え、全国の登録有形文化財建造物件数の類計は9399件となります。そのうち愛知県の物件は391件で、日進市内では、今回が初の登録となります。
 登録文化財の制度は、従来の文化財指定制度(国の指定)を補完する新しい保護手法として、平成8年10月の文化財保護法改正により導入された文化財保護制度です。
 この制度は、特に優れた建造物を厳選して国宝・重要文化財に指定する制度とは異なり、文化財建造物を活用しながら保存するという考え方に基づくものです。
 登録の対象となるものは、建築後50年を経過した建造物で、かつ次のいずれかの基準に該当するものです。

  1. 国土の歴史的景観に寄与しているもの
  2. 造形の規範となっているもの
  3. 再現することが容易でないもの

 旧市川家住宅主屋は、飯田街道沿いに位置し南面して建つ、文献資料により建築年代が明らかとされる江戸時代 後期の大型な農家であり、「国土の歴史的景観に寄与している」ことが登録理由となりました。

棟木から見える滑車の写真

写真解説 土間から小屋裏を見上げたところ
棟木から滑車が吊り下げられ、小屋裏への荷物の上げ下ろしができるようになっている。

文化財建造物みどころコラム 第1号(平成25年6月)

和釘と洋釘

和釘が打ち付けられている個所の写真

和釘止め

洋釘が打ち付けられている個所の写真

洋釘止め

日本では、飛鳥時代から明治時代の建築物には和釘(わくぎ)が用いられていました。やがて現在使われている洋釘が主流となりました。
和釘は、工具を用いて材料を打ちたたき鍛錬・成型を行う「鍛造」(たんぞう)により作られ、断面が四角い形状をしています。部材に打ち込まれている釘の種類を見ることで、修繕や改造が行われた時期を推定することができます。

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