平成22年度第2回日進市地域公共交通会議 議事録

ID番号 N3976

更新日:2019年03月01日

1.開催及び閉会に関する事項

平成23年3月25日(金曜日) 10時から

2.開催場所

図書館1階第2・3会議室

3.出席委員及び欠席委員の氏名

(1)出席委員

石川 和美 (市民モニター)
加藤 広司 (区長会)
保竹 優宏 (老人クラブ連合会)
松岡 坂重 (子ども会連絡協議会)
三輪 洋子 (地域女性団体連絡協議会)
水野 利子 (障害者団体連絡会)
松本 幸正 (名城大学教授)
都築 基雄 (前市内巡回バス検討委員)
仲 龍典 (前市内巡回バス検討委員)
長崎 三千男 (社団法人愛知県バス協会専務理事)
永山 明光 (名古屋市タクシー協会)
藤田 信彰 (名鉄バス株式会社運輸部運輸第2課長)
小林 宏 (愛知県交通運輸産業労働組合協議会議長:木全様が代理出席)
小林 裕之 (国土交通省中部運輸局愛知運輸支局首席運輸企画専門官輸送担当:古橋様が代理出席) 
加納 祐司 (愛知県愛知警察署交通課長) 
松井 圭介 (愛知県地域振興部交通対策課長:崎下様が代理出席) 
青山 雅道 (日進市総務部長)

(2)欠席委員

5名

4.事務局

生活安全課

5.議事の要旨

1. 閉会

2. 会長挨拶 

3. 議事

報告案件

  1. くるりんばすの状況について
  2. 利用者意識調査の報告
  3. 現在の運行状況の点検・評価 
  4. 見直しの方向性
  5. 個別課題への対応について

4. その他

23年度公共交通関連予算の概要(説明者:中部運輸局愛知運輸支局)

5.閉会

平成22年度第2回日進市地域公共交通会議 議事

事務局

 平成22年度第2回日進市地域公共交通会議を始めさせていただきます。本会議は、道路運送法に基づき、市内の住民の生活に必要なバス等の旅客輸送の確保やその地域の実情に即した輸送サービスの実現に必要となる事項を協議するため、開催されるものです。
 なお、日進市地域公共交通会議設置要綱第6条第2項の規定に基づく、会議の成立につきまして申し上げます。現在、本日の出席者は委員22人中17人、欠席者5人であり、会議の開催に必要な2分の1以上の出席を頂いておりますので、会議が成立することをご報告いたします。
 また、本日は4月のにっしんテレビのための収録でカメラが入りますのでよろしくお願いいたします。支障がある委員は、後ほど申し出ください。所管である秘書広報課にその旨を伝えさせていただきます。
 次に、会議の公開についてご説明いたします。日進市附属機関等の会議の公開等に関する要綱第3条の規定により、会議は原則公開とされておりますが、会議の内容によっては、全部又は一部を非公開とすることもでき、公開、非公開の決定は、附属機関等の長である地域公共交通会議会の会長が各委員にお諮りし、行うこととなっております。松本会長お願いいたします。

会長

 今回予定されている議事案件は、特に個人情報とか利害に関わる内容は含まれていないと伺っていますので、公開とさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。(委員より異議なしの声あり)では、公開とさせて頂きます。
 傍聴人のみなさまには、会議が公正かつ円滑におこなわれるよう、会議の秩序維持に努めていただきますようお願いいたします。

事務局

 次に、年度末の開催にあたり、市長から委員の皆様にご挨拶申し上げます。

市長

 それでは、一言だけ、お礼申し上げたいと思います。今日は保育園の卒園式ということで、かわいい子供達が巣立っていきました。お母さん方がうるうるとされておる中で、我々も、もらい泣きしそうになる光景でした。
 日頃から、この会議におきまして、いろいろなご意見を賜りまして、くるりんばすも一歩ずつ市民の足として地域の中に根ざし、定着してきているところでございます。少し変えた場合には、市民の皆様にも混乱が起こり、安定を欠く場合もありますが、慣れていただけると、少しずつ順調な形で伸びていると聞いておりますので、日頃から皆様の暖かいご指導に感謝を申し上げます。市民の皆様に、もっとよりよく安心して乗っていただいて、地域の中で活性化が進めばありがたいと思います。
 また、私どもと、他の地域との連携も強化を図りながら、結果的に地域経済の活性化、地域住民同士の交流にもつながればよいかと思います。お互い、どの市につきましても、財政的な制約を避けては通れませんが、ここにおられる方々のお知恵、お力を借りながら、我々も努力をして参りたいと思います。引き続きのご指導をお願い申し上、ご挨拶とさせていただきます。

事務局

 それでは、市長は他の公務がありますのでここで退席させていただきます。
 次に、委員委嘱を行います。このたび6号委員のお一人であります、愛知警察署交通課長が人事異動に伴い、小田聡さまから加納祐司さまに代わられました。着任日付は3月22日です。それでは、新たに委員となられました加納様へ委員委嘱を行います。委嘱状は、お手元にありますので、大変恐縮でありますが、お名前を読み上げさせていただき、委嘱に代えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。愛知県愛知警察署交通課長、加納祐司様。よろしくお願いいたします。なお、委員の任期は、前任者の残任期間である平成23年10月1日までとなります。
 加納様、お一言お願いいたします。

委員

 3月22日付で愛知警察署の交通課長となりました加納です。よろしくお願いいたします。前年は東海警察署に勤務しておりました。今後とも関係する内容の対応等、頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。

事務局

 それでは、松本会長からご挨拶をお願いしたいと思います。

会長

 皆様、おはようございます。年度末の大変お忙しい中、また、地震の影響で混乱が続く中お集まりいただきありがとうございます。本日は年度末の最後の会議ということで、この一年のくるりんばすの状況を皆様に点検いただく、また、来年度に向けた見直しの方向性を検討していただきたいと思っております。
 皆様もご存知のように、地域公共交通、とくにコミュニティバスはPDCA、プラン、ドゥ、チェック、アクト、のサイクルでまわしていくことが非常に重要です。計画、実行、点検、さらに点検結果に基づいて見直しを行っていくということであります。その中で一番重要なのが、100%のプランが難しいところがあるなかで、できるだけ100%に近づけるようチェックとアクトを行うことです。ここが機能するかどうかによって、地域の公共交通がいいものになるかどうかの成否が問われるということであります。そういうことで、本日はこのチェックとアクト、点検と見直しについて、皆様から忌憚の無いご意見をいただきたいと思います。本日もご協力のほどよろしくお願いいたします。

事務局

 それでは、議事に入りたいと存じます。議長は設置要綱の第6条で会長が執り行うこととなっておりますので、松本会長よろしくお願いいたします。

会長

 ご指名をいただきましたので、議長を務めさせていただきます。 皆様のご協力をよろしくお願いします。なお、本日の議事録の署名につきましては、名簿の順といたしまして、私から指名させていただきます。今回は、加藤委員と保竹委員にお願いします。
 それでは、議事に入ります。報告案件(1)、くるりんばすの状況について、事務局からご説明をお願いします。

事務局

 くるりんばすの利用者数は、平成20年度までは増加傾向にあったが、近年横這い傾向にあります。8月までは対前年同月比で減少していたものの、9月に増加に転じ、その後緩やかに回復してきています。この傾向は、再編前から運行していた7コースでも見られます。中央線については4月から継続して対前年同月を上回っています。
 運賃収入については、4月当初から対前年同月比で前年を上回っています。再編前から運行していたコースで比較してみると、利用者数実績と同様、8月までは対前年同月比で減少となっていますが、9月に増加に転じ、その後緩やかな回復傾向にあります。中央線については4月から継続して対前年同月を上回っており、特に4月から7月にかけては大きく増加しています。

委員

 利用者増の要因を事務局で把握しているところは何かありますか。

事務局

 双方向運行したところで増えた要因は、新たな利用者が出てきたことと、運行方法自体が利用者に定着したことが考えられます。中央線では学生の利用時間帯に合わせたことがあるかと思います。

会長

それでは続きまして(2)、利用者意識調査の報告についてお願いいたします。

事務局

 週1回以上利用する利用者の割合は、北、中コースを除く5コースにおいて平成20年度比で増加しています。ほぼ毎日利用する割合は、東南コースを除く6コースにおいて平成20年度比で増加しています。
 再編前後のコース別利用者数は、各コース(中央線以外)、平成20年度比で1~2割減少しています。双方向運行コース(西、南、北、中)では利用者総数及び双方向運行便とも平成20年度比で減少するものの、平成21年度比で増加傾向にあります。新たにくるりんばすとして運行した中央線へは、各コースから約1~8%の利用者が転換しています。双方向運行後にくるりんばすを利用しなくなった利用者割合は、約5~15%存在しています。
 総合評価の満足度は、中央線を除く7コース全てにおいて平成20年度比で減少しています。ただし、総合評価の不満度は減少、または横這いにあります。
 乗り継ぎ券利用回数は減少傾向にあるものの、その減少率は小さくなっています。

会長

 これは毎回言っていることですが、平成20年度は満足度が少し良くなっている。というのも、21、22年度は11月に調査しているが、20年度だけは6月であった。それで、調査日に雨が降っていたこともあり、普段は使わないが、雨の日だけ利用される方が多く見えた。そういう方には、くるりんばすがあって雨の日はありがたい、ということで、満足度が上がっております。そういうわけで、これより下がったから、といって評価すると少し厳しくなります。
 21、22年度を比較しますと、どちらでもない、という意見が増えつつあるということで、これは事務局の話では、だんだん慣れてきたということです。満足度は経年的に調べていきますと、当然でしょ、というふうになり、横這いか、むしろ少し下がってくるものですので、やむをえないかな、と。
 それより、我々として見なくてはならないのが不満度で、これが上がっているのはまずいです。しっかりチェックしなくてはいけません。ざっと見ると、少し不満度が高まっているふうに見て取れますので、精査・見直しをかけていく必要があると思います。研究室でみたところ、非高齢者の方々の不満度が高まっています。逆に言に言うと、通勤・通学の利用が増えてきたということだと思います。くるりんばすの利用が拡大してきた、ということだと思います。そういうことも踏まえて、これからのくるりんばすのあり方や見直しの方向性も考えなくてはと思います。

委員

 東南コースで、データの母数が前年度の倍になっているが、調査日に何かイベントなどあったのではないか。それで、特定の利用頻度の方が多かったのではないか。

事務局

 何か団体で移動されることがあったことによる影響だと思いますが、事務局の方で精査します。

委員

 調査方法は具体的にどのようなものですか。

会長

 2日間学生が乗り込み、アンケート調査を行います。そのとき、利用者の方は1000人くらい乗られていますが、全員に調査票を配布し、郵送で回収します。4割ちょっとの回答率で、440くらいの回答票があります。回答率としては高い方です。

委員

 南コースで、便数の不満度は下がっているが、利用者は減っていることに矛盾を感じています。自分の利用圏内であるがよく分かりません。

事務局

 南コースは、双方向にしたときには、利用の仕方が分からないなど、若干の混乱があり、利用者が一時離れていたが、少しずつ使い方を覚えていただいて、徐々に利用者が定着してきたのだと思います。結果的に、不満を持っていない方が残っているということかもしれません。また、新たな利用者が増えていることもあり、そちらの満足度等も見ていくことが今後の課題であると思います。

会長

 続きまして(3)、現在の運行状況の点検・評価ついて、ご説明をお願いいたします。

事務局

 目標の達成度についてご説明します。
 バス利用カバー率(人口・可住地面積)は平成20年度比6ポイント増加。その要因として、平成21年4月の双方向運行実施後、平成22年3月までに、以下のバス停位置の変更・新設を行ったことがあります。北コース長久手古戦場南バス停を中央線長久手古戦場駅へ移設・統合。中コース岩崎橋東バス停を再設置。中コース香久山中の左回り・右回りバス停を統合。中コース香久山北の左回り・右回りバス停を西コース香久山北バス停と統合。
 これらバス停位置の変更・新設は、既存バス停又は右回り・左回りバス停の統合であり、新たなバス利用カバー圏域の拡大は伴わないため、バス利用カバー率は平成21年度結果と同様な値となります。それで、平成20年度比で人口カバー率は8ポイント増加、可住地面積カバー率は9ポイント増加、バス利用圏域面積カバー率は4ポイント増加となっており、公共交通不便地区の減少が図られています。
 週1回以上利用する利用者の割合は、くるりんばす8コース平均で平成20年度74%に対して平成22年度75%と1ポイント増加していることから、全体として利用者の利用機会は向上しているといえます。ただし、双方向運行とした南コースで6ポイント、西コースで5ポイント増加するものの、同様に双方向運行とした北コースで3ポイント、中コースで7ポイント減少していることから、双方向運行としたコースの中でも利用機会の変化に違いが見られる結果が得られています。
 利用者の増加についてご説明します。
 くるりんばす8コース全体の利用者数は、平成20年度比0.99とほぼ横這いにあります。ただし、コース別にみると、平成21年度では新たに中央線利用者が含まれ、その他の7コースから中央線への転換もみられるものの、7コースとも平成20年度比1~2割減少しています。
 運行方向を変更した便の1便当たり平均利用者数は、西・南・北・中の4コースとも平成20年度比0.82~0.93と減少していますが、平成21年度比では西・南・北・中の4コースとも1.04~1.15と増加傾向にあることから、双方向運行便への利用者の定着も進みつつあることが伺えます。
 バス停別利用者数を見ると、1週間あたり降車人員が1人以下のバス停が3箇所あります。市役所東バス停(東・東南・南西コース)、宮西バス停(東コース)、スポーツセンターバス停(東南・南西コース)です。
 満足度の向上についてご説明します。
 総合満足度は、全コース平均で平成20年度67%に対して平成22年度46%と21ポイント減少。コース別でも7コースで平成20年度比14~28ポイント減少しています。一方、総合不満度で見た場合、平成20年度と比較して全コース平均でほぼ横ばいです。コース別では東・西・北・中コースで1~11ポイント減少しています。これらより、満足度は減少傾向にあるものの、コースによっては不満度が減少していることから一定の評価は得られていると考えられます。利用経験を重ねることで満足度の感覚が薄れ、どちらでもないに移行したものと考えられます。
 循環形態満足度は、双方向運行とした西・南・北・中の4コースとも平成21年度比7~12ポイント増加するものの、西・南・中の3コースの循環形態の満足度は44~47%と半数を下回っています。
 定時性の満足度は、全コース平均で平成20年度50%に対して平成22年度51%と1ポイント増加し、コース別では西・南・東南・南西コースで平成20年度比0.4~17ポイント増加しています。一方、定時性の不満度で見た場合、平成20年度と比較して全コース平均で15ポイント減少しており、コース別でも全7コースで3~30ポイント減少しています。特に西・南の2コースでは、不満度が20ポイント以上減少しており、平成20年度以前より定時性が確保できていることが伺えます。先の総合満足度と同様、余裕をもった時刻表設定により一定の評価は得られたものの、利用経験を重ねる中で満足度の感覚が薄れ、どちらでもないに移行したものと考えられます。
 乗り継ぎ利便性の向上についてご説明します。
 平成21年4月の双方向運行に合わせて乗り継ぎ券発行バス停を市役所バス停に限定したことから、乗り継ぎ利用率は、平成20年度比で全コース平均0.66、コース別0.55~0.70と3~4割減少しています。ただし、平成21年度と比較した場合、全コース平均0.86、コース別0.83~0.93(中央線の0.63は除く)と依然、1~2割減少するものの、その減少率は小さくなっています。
 収益性の向上についてご説明します。
 平成22年度の料金収入は、中央線を含むくるりんばす全体で3,350万円と、平成20年度比で1.31と増加していますが、中央線を除くコース別でみた場合、7コースとも0.85~0.98と減少しています。
 収支率でみた場合、中央線が運行していない平成20年度は年間運賃収入2,787万円、運行経費12,457万円より収支率22.4%となっており、平成22年度は年間運賃収入3,634万円(4月~翌年2月の11ヶ月間計の結果に基づく予測値)、運行経費17,073万円より予測収支率21.3%と、ほぼ横這いとなっています。

委員

 点検・評価の手順とはどのようなものですか。また、毎回同じようにやっているのですか。

事務局

 平成21年度の大幅な再編時に作成した手順に基づき、PDCAのチェックの部分で使う評価表が作成されています。平成23年度以降は新たな改善策の検討を行ってプランに入っていくことになります。なので、この点検・評価が、全く同じように、毎年行われるわけではありません。ただ、あまり変えすぎてもいけないので、何らかの形で似たようなものを行うと思います。

委員

 今ご利用になっている方の満足度なども、もちろん大切ですが、新規の利用者の獲得について、何か検討していますか。また、そういったことをアンケートから抜き出せませんか。上手くいけば、収入増にもつながり、そのことでサービスの向上にもなるという好循環になると思います。

事務局

 おっしゃるとおりだと思います。今後は、新しいニーズを探し出す手法も検討していかなくてはと思います。そういう段階にきていると思います。

委員

 満足度は意外と単純なことだったりするのではないですか。例えば、市役所だと窓口の対応が悪いと全体の評価が下がります。くるりんばすでも、名鉄さんが一生懸命やられており、例えば荷物を降ろすのを手伝ってもらったとかで全体の満足度があがるし、一方で、運転が荒かったり車内が汚かったりすると、全て評価が下がることもあると思います。そういう観点も持たれるとよいかと思います。

事務局

 今後は、くるりんばすを生活の足としてだけではなく、くるりんばすに乗ることがひとつの楽しみとなるような、例えば、車内がコミュニティ形成の場となるような仕掛けも、検討していけたらと思います。そして、地域でくるりんばすを支えていこう、盛り上げていこうという機運を高めていきたいと思っているところですので、ありがたいご意見です。

会長

 それでは4点目の見直しの方向性について、ということでご説明をお願いいたします。

事務局

 目標の達成度の評価からみた見直しの方向性についてご説明します。
 くるりんばすのバス停配置及びルート設定は、きめ細かなバスサービスの提供によるバス利便性の向上を目的に見直しを実施してきた結果、平成22年度現在、人口カバー率で約84%、面積カバー率で約67%と、平成20年度比で4~8ポイント増加しており、着実にくるりんばすのサービス拡大を図ってきました。
 くるりんばすを、週に1回以上利用する割合は、全コース平均で平成20年度74%に対して平成22年度77%と約3ポイント増加しています。これをコース別で見ると、双方向運行とした西・南コースで約5~6ポイント増加するものの、北・中コースでは約3~7ポイント減少しており、双方向運行としたコースの中で利用機会の変化に違いが見られます。ただ、ほぼ毎日利用する割合は、これら双方向運行とした全4コースで増加していることから、繰り返し利用される方の利便性は高まっているといえます。
 また、現在の運行方向とは逆回りの方が便利と思う、の把握を行った結果、双方向運行コースでは南コースの9時台~16時台、西コースの18時台、一方向運行コースでは東コースの8時台といった便の運行方向の見直しを求める回答が相対的に高い、ということです。
 これらより、双方向運行による利用機会の増加は確認されたものの、双方向運行コース及び従来の一方向運行コースともに運行方向の見直しを求める回答が得られていることから、利用実態を踏まえた運行方向の妥当性を検証する必要があります。
 なお、運行方向の変更にあたっては、主要バス停間を連絡するコース(赤池と市役所を連絡する西コース・南コースなど)に配慮した運行方向を維持していることから、特定便の見直しにあたっては、影響路線を含めた一体的な見直しに配慮する必要があります。
 利用者の増加の評価からみた見直しの方向性についてご説明します。
 くるりんばすの利用者数は、平成22年度/20年度比で全コース平均0.99倍と横這いにあるものの、コース別では中央線を除く7コースとも0.81~0.92倍と約1~2割減少しています。これら利用者数を平成22年度/21年度比で見た場合、全コース平均1.00倍と横這いにあり、コース別では双方向運行とした西・南・北・中の4コースと新たにくるりんばすとした中央線の計5コースで1.01~1.41倍に増加しています。これら利用者の内訳をみると、双方向運行後に新たにくるりんばすを利用した割合は、平成21年度12%に対して22年度22%と10ポイント増加しています。
 また、くるりんばすの利用促進策として利用者が有効と回答した施策は、全年齢層平均で、公共施設や医療機関などの主要な施設に路線図や時刻表を設置する、が最も多く、次いで、バス停や時刻表に地域の店や企業の広告を載せる、地域や学校の行事などにおいて積極的に利用してもらう、利用者に対して割引券を配布するなど地域の商業施設と連携する、の順となっています。
 これらより、月日の経過とともに、新規利用を含めた利用者の定着が双方向運行コースを中心に進みつつあるため、現運行形態を当面維持する中で、今後の利用者動向を定期的に観測しつつ、新たな利用者ニーズや利用実態等を踏まえた点検・評価を実施する必要があります。
 また、利用者増進に向けては、地域住民はくるりんばすを利用した地域活動や地域のニーズを踏まえた改善案の提案などを行い、行政はこれら地域活動等の支援や利用者に分かりやすいバスサービスの提供を図るといった、くるりんばすの維持に係る仕組みを構築する必要があります。
 満足度の向上の評価からみた見直しの方向性についてご説明します。
 右回り・左回り運行開始後の総合満足度は、7コース全てで減少しています。しかし、総合不満割合でみると、4コースで減少、つまり不満が解消するとともに、残りの3コースでほぼ横這いとなっています。
 右回り・左回り運行が使いやすい(やや使いやすいを含む)約37~42%に対して、使いにくい(やや使いにくいを含む)約22~36%。右回り・左回り運行がわかりやすい(ややわかりやすいを含む)約34~40%に対して、わかりにくい(ややわかりにくいを含む)約24~26%と、それぞれ、使いやすい・わかりやすいが、使いにくい・わかりにくいを上回るものの、半数を下回っています。
 これらより、利用者の満足度が減少する一方で、不満割合も減少または横這いにあることから、月日の経過とともに満足感が薄れ、どちらでもない、に移行したものと考えられます。
 項目別の満足度では、右回り・左回り運行に合わせて実施した新たなバス停配置や、安全性と定時性に配慮した時刻表の見直しにより、自宅からバス停までの距離、バス停から目的地までの距離、バスの定時性といった項目の満足度が各コースとも比較的高くなっています。しかし、ルート、ダイヤ、発着時刻のわかりやすさ、といった項目の満足度は各コースとも低いことから、利便性の向上を図るためには、使いやすさ、わかりやすさに配慮した見直しを検討する必要があります。
 乗り継ぎ利便性の向上の評価からみた見直しの方向性についてご説明します。
 くるりんばすの乗り継ぎ券利用枚数は、平成22年度/平成20年度比0.66倍と減少しています。これは、くるりんばすの適正利用を進めるため、乗り継ぎ券の発行バス停を市役所に限定したことが大きな要因と考えられます。また、平成23年4月よりICカード乗車券(マナカ)がくるりんばすに導入される予定となっています。
 これらより、くるりんばす利用時にマナカ利用を促進することで利用実態(乗降バス停、乗降時間、乗車時間等)データを蓄積し、くるりんばすの利便性向上に向けた検討において、これらデータの活用を図る必要があります。
 収益性の向上の評価からみた見直しの方向性についてご説明します。
 くるりんばすの収入額は、平成22年度/平成20年度比で全コース平均1.31倍となっていますが、コース別では7コースとも0.85~0.98倍と減少しています。
 くるりんばすの運行維持に関する税負担のあり方は、全年齢層平均で、利用者を増やすことで収入を増やし、税金による負担を減らすべき、が75%と最も高い。次いで、高齢者などの交通弱者のためなら、今と同程度の負担額(税金)でもよい、が68%となっています。
 これらより、利用者が運行維持の条件として挙げた、利用者増進による税負担の軽減または現在の負担額、を上限としつつ、近年の財政状況を踏まえ、持続可能な運行を確保するために、今後は、効率的かつ効果的な運行形態(ルート・便・バス停等)の改善策及び運行経費の削減策を検討する必要があります。

委員

 マナカでくるりんばす乗り継ぎのデータが取れますか。

事務局

 乗り継ぎ利用の場合は、マナカをかざすわけでなく、乗り継ぎ券の利用という形になり、マナカでタッチしないので、データとしては出てきません。「乗り継ぎ利便性の向上」という表記を改めて、単に、「利便性の向上」と修正します。
 また、現金で乗られる方も無くなるわけではないし、そもそもマナカを使われる方は利用頻度の高い方が多い、という条件もありますので、マナカのデータのみに頼ることは難しいとも思います。

会長

 それでは5点目、個別課題への対応について説明をお願いします。

事務局

 平成21年4月運行後からの主な対応は次のとおりです。市民会館、赤池駅及び日進駅バス停の隣にルート図を設置。リニモ長久手古戦場駅にルート図とダイヤ表を設置。市内公共施設にルート図とダイヤ表を設置。市役所バス停の時刻表を分割・拡大して設置。東名古屋病院、愛知国際病院、おりど病院等にルート図とダイヤ表を設置。再編成後のルートとダイヤについてのPRを実施。従来から無料対象者である障害者や介護認定者に無料パスカードを発行。北コースの長久手古戦場南バス停を、中央線の長久手古戦場駅バス停に統合。市民まつり開催時、公共交通コーナーにてルート図とダイヤ表を配布。7コースに加え、中央線も市役所バス停停車時に高齢者一ヵ月定期券を発行。バス停の時刻表をバス運行方向に合わせてバス停位置を入れ替え。中コースでは、香久山中バス停を左回り・右回りとも、同じバス停に統合。香久山北バス停を左回り・右回りとも、西コースの香久山北バス停に統合。休止していた岩崎橋東バス停を場所変更して再度設置。
 平成22年4月から現在までの主な対応は次のとおりです。市役所バス停に休憩所として、にぎわい交流館への案内を掲示。各バス車体の側面にコース名シールを貼り付け。赤池駅前ロータリー内にバス停への案内看板を設置。全バス停の時刻表のデザインを更新(原案は名城大学理工学部松本研究室所属の学生)。ICカード乗車券マナカでの運賃支払い開始。

委員

 ちなみに、マナカは車内でも千円単位でチャージできます。ですので、仮に入っているお金がゼロで乗っても、降りるときに乗務員に言っていただければ、バスの中でチャージするなど対応できます。

会長

 質問は無いようですので、次に、その他、ということでご報告をお願いいたします。

事務局

 その件に関しましては、本日、運輸局がおみえですのでそちらからお願いいたします。本日は小林委員の代わりに古橋さんがお見えになっているとのことです。古橋さんから、23年度公共交通関連予算の概要について、ご説明お願いいたします。

委員

 今までの補助金を一本化し、「地域公共交通確保維持改善事業 生活交通サバイバル戦略」としました。平成23年度予算額は305億円。バスの関係は生活交通ネットワーク計画の陸上交通で、3年計画で作ってくださいということです。変更点は、現行の事後精算方式から、事前算定方式になることです。また、これまで地域協議会で検討し、都道府県知事が系統指定であったものが、地域間幹線系統については、都道府県協議会で検討し、計画を作ることになりました。新しくできた地域内フィーダー系統については、市町村協議会で検討し、計画を作ることになっている。最後に、都道府県による協調補助が必須だったものが、そうではなくなりました。
 日進市が活用できるものとしては、地域間幹線系統があります。これについては、複数市町村をまたいでいる要件が緩和され、10キロメートル以上という距離要件が廃止されました。1日当たりの運行回数が3回以上というのはクリアできると思いますが、輸送量が1日あたり15人から150人と見込まれるというところが当てはまるかどうかです。該当するとすれば、西コース、北コース、中央線です。地域内フィーダー系統は要件が厳しく、とくに平成23年4月1日以降に新規に、ということもあり、日進市は該当しないと思われます。
 事業のスケジュールは調整中ですが、新制度は平成23年度4月1日施行予定です。補助対象期間は、陸上交通については10月から9月ですが、新制度への移行期である平成23年度においては4月から9月となります。震災の関係で要綱の作成が遅れているため、若干中身が変更する可能性があります。

会長

 どうもありがとうございました。日進市は元々国の補助を得て運行しているわけではありませんが、国の補助の枠組みが変わったということで、日進市ももらえる可能性が出てきたということです。先ほど見直しの方向性のひとつで、経費の効率化・削減というのがありましたが、補助金をもらうというのは、それに該当するかと思います。ぜひ検討いただければと思いますので、そのときは愛知運輸支局にもご協力いただければと思います。
 以上で今日の議事を全て進めることができました。皆様、ご協力ありがとうございました。それでは、進行を事務局へお返しいたします。

事務局

 早朝から長時間、ありがとうございました。これをもちまして、会議を閉めたいと思います。ご苦労様でした。

-会議終了‐

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