平成19年度イタセンパラ保護会議 議事録

ID番号 N4038

更新日:2019年03月01日

開催日時

平成20年1月26日土曜日午後2時~午後4時

会場

日進市役所本庁舎4階 第1会議室

出席者

委員

  • 森 誠一
  • 河合 典彦
  • 佐藤 正祐
  • 村瀬 誠
  • 浅井 達雄
  • 渡辺 仁司
  • 高木 尊

オブザーバー

  • 環境省中部地方環境事務所 統括自然保護企画官 常冨 豊
  • 愛知県教育委員会生涯学習課文化財保護室 佐藤 公保

欠席者

委員

  • 小川力也

事務局

  • 田中副市長
  • 穂積教育長
  • 伊藤生涯学習課長
  • 櫻井生涯学習課主幹
  • 菅原主事

傍聴の可否

可

傍聴の有無

無し

議題

  1. 日進市におけるイタセンパラの生息状況
  2. 平成19年度のイタセンパラ保護調査報告について
  3. 平成20年度調査方針について
  4. その他

事務局

それでは、定刻になりましたので、ただいまより日進市イタセンパラ保護会議を開催いたします。副市長あいさつをお願いします。

副市長

あいさつ・省略

事務局

議事に入ります。議事の取り回しを座長にお願いします。

座長

それでは本日は、3点審議していただきます。まず【議題1】では、委員からイタセンパラとはどのような魚であるかということを説明していただきます。次に【議題2】では、今年度の調査結果について事務局と委員から説明いただきます。最後に【議題3】として、平成20(2008)年度の調査方針について審議いただきます。8月31日が文化庁との協議により調査の区切りとなっていますので、それ以降の取り組みについて審議いただきます。

まず始めに【議題1】について

平成8(1996)年イタセンパラが発見され、その後河川を中心とした調査をした結果、河川そのもので繁殖していることは考えにくく、調整池が重要な場所であると認識されました。それを受け、県・市が環境改善に努め、緩衝池を設けてそこで砂地の浅瀬を作りました。

その後、危険分散用の保護池を市で作っていただきましたが、保護池完成後は、イタセンパラの確認がされていますか。

事務局

平成15(2003)年5月に稚魚2匹を確認しましたが、翌年1月には確認できなくなりました。

座長

調整池には、二枚貝が生息しており、イタセンパラ生息の可能性が完全になくなったわけではないとは思います。イタセンパラ保護会議に初めて出席される方がいらっしゃいますのでイタセンパラの生態について淀川水系イタセンパラ研究会のメンバーである委員から説明いただきます。

委員

淀川における生息状況と生態について説明

 イタセンパラは淀川のシンボルフィッシュであり、昭和45(1970)年頃から保護活動が行われてきた。1970年代には、イタセンパラが数多く生息し、平成17(2005)年まで国内最大の生息地であった。平成18(2006)年からイタセンパラが見られなくなったはっきりとした原因は分かっていないが、直接的にはブラックバスやブルーギルなどの外来魚による捕食圧が大きくはたらいたものと考えられる。

 淀川では昭和44(1969)年に再発見された。河川の生息環境がどんどん失われていくなかで、その後昭和49(1974)年に天然記念物、平成7(1995)年に国内希少動物種(種の保存法)に指定され、手厚く保護されている。堤防に挟まれた間にあるワンド・たまりの中で、生息している。秋に二枚貝に産卵をして、貝の中で孵化し、越冬して春に出てくる。淀川の城北ワンド群では、国内最大の生息地ということで、積極的にPRして、みんなで守っていこうということで取り組んでいる。イタセンパラが貝から浮上する時期には、密漁防止や混獲防止のためにたもを使わないでほしいとよびかけ、啓発運動をしている。

 イタセンパラを水槽飼育しているところはあまりなく、見る機会がなかなかない。ヒレが立派なところが特徴。学名もそこからつけられている。二枚貝近くにオス・メスが寄り添ってメスが産卵管を二枚貝にいれて、オスが放精すると、二枚貝の中で受精する。貝の中で孵化し、貝に守られて冬を越すという特異な生態をもっている。 春に二枚貝から浮上したイタセンパラの仔稚魚を数えることで、城北ワンドでの状態を見ていこうと平成6(1994)年から全域調査をしている。仔稚魚の確認数の大きな年変動がなぜ起こるのかはっきりしたことは分からない。一つには、イタセンパラの寿命がおそらく1年で、体力を回復できなくなり、厳寒期に死んでしまう個体が多く、年変動が出やすいのだろうと言われている。

 平成13(2001)年は、7800個体が見つかっている。環境が適応すると、爆発的に増殖するが、合わないと衰退してしまう。

座長

ありがとうございました。非常に特異な生態をもった魚なのではないかと思います。

事務局

名前の由来についてはどのように言われているのですか。

委員

腹がひらべったく色が鮮やかでそこからきた(板鮮腹)と言われています。センパラという呼称は濃尾平野でタナゴ類一般に使われています。魚の名称について研究している方によれば、ビタセン(銭)からきているのではないか、田んぼの用水路にいるものだから子供たちの魚取りの対象になって親しまれてきたために、お金に例えたのではないかという説もあります。

座長

次に平成19(2007)年の報告について事務局お願いします。

事務局

概要について資料に基づいて説明

今年度の調査については平成15(2003)年5月より、イタセンパラの繁殖個体が確認されておらず、生存の確認を第一の目的として行った。調査は、調整池、河川部における調査を行った。

結果として、フナ等の数種類の仔魚・稚魚は見つかったが、イタセンパラを確認することはできませんでした。保護池については、目視するという方法のみで行った。水温が20度に達する時点でも、イタセンパラの仔魚は確認されなかった。

 5月25日には淀川水系イタセンパラ研究会会長の指導のもと、調整池と保護池の調査を行った。母貝培養池では、稚貝が繁殖している状態と評価いただいた。

 母貝については、調整池の環境が悪化して母貝が死滅する恐れがある。

ということで、3月16日に貝を移植する作業を行った。また本年1月24日に調整池から貝を採取して、貝の中にイタセンパラが産卵しているかどうかを本日1月26日、委員の指導のもと、貝の中を確認する作業を行った。

座長

調査を行った委員、気づかれたことなど説明をお願いいたします。

委員

おととしに調整池、河川の調査を行いました。

調整池は、本日見ましたところガマが水面を覆い尽くしていて、イタセンパラが生息できる環境としては厳しいという印象を受けました。河川においては、氾濫して水位変動して撹乱されるような浅い水辺環境がイタセンパラにとって好ましいが、攪乱のない池でもイタセンパラは生きていく。しかし、そういったところは他の生き物とのさまざまな関係を長期にわたって維持することが難しい。

人工増殖しているところでは、撹乱などはないが常に地下水を供給していたり、淀川の水をひいていて水循環があったりという環境となっています。環境が整えばイタセンパラも比較的容易に繁殖して生きていける。調整池は水がほとんど動いていません。たくさんの枯れた植物が分解したものがたまって、池の底質が悪い。調整池で今現在イタセンパラが生息しているかと考えると、おそらく厳しいでしょう。

河川には、生息する魚種に多様性があり、在来魚が多くいます。イタセンパラに関していえば、日進市内の河川は勾配がきつい。イタセンパラが生息していく環境ということでいうと、河川の勾配がゆるやかな氾濫減が広がるような場所のほうが生息環境として適しているのです。

本日、貝を開口して確認させていただきましたが、イタセンパラは確認されませんでした。

ただ貝の健康状態は悪くないと思われました。中をのぞいてみると、生息環境が悪いとやせ細ってきます。貝柱が殻を閉じようとする力も弱っているほどには感じられませんでした。

確認したのは8個体で、調整池においては稚貝が増殖しておらず、貝が繁殖していない印象を受けました。

座長

調整池・緩衝池・保護池・河川について、生息可能性状況についてお話いただきました。調整池の二枚貝の状況については、繁殖していない可能性が大きいが、健康状況は悪くない。保護池の二枚貝については繁殖してそれなりの役割を出しているのではないか。

河川については、氾濫原がない。地元の方はかっては増水して氾濫していたという話もある。イタセンパラがいたかどうかということでいうと、河川の勾配が急なので、もっと下流の方にいたのかもしれない。以上のようなお話でした。

今年度の調査について地元の方から保護池・調整池などについて情報がありましたら提供いただければと思います。何かありますでしょうか。

委員

昨年春に、貝を調整池で捕獲して保護池に入れました。それから出てきたのか、6月か7月に、保護池で魚種を確認した。つかまえた中にタナゴ類の仔魚がいて、見るかぎり背びれに黒い斑点があったのでタイリクバラタナゴだろうと思った。

委員

あの数からみると、中にイタセンパラはいないだろうかという気持ちがする。

5月に淀川水系イタセンパラ研究会会長に目視してもらった際には、タイリクバラタナゴばかりだと言われた。

委員

確認したのはいつ頃ですか。
タイリクバラタナゴはその年の春から産卵し、仔魚はその後に浮出してくるため、確認できる時期は遅くなります。また、タイリクバラタナゴは、秋にかかるくらいまで、産卵します。ただし越冬しませんから、浮出した仔魚はあまり成長せずに冬を越します。春早い時期に見られる仔稚魚はその個体だと思われます。

委員

小さい個体だったため、持ってきた貝から出たのではないか、と思います。
そうすると、イタセンパラがいないか、と思われてくる。

委員

イタセンパラならば表層水温が20度を超えるくらいから出てきます。
3月頃出てきたと考えるとイタセンパラとは考えにくいと思います。3月に貝を持ってきて、そのあとにタイリクバラタナゴが産卵したというのが一番考えられることです。

委員

確認した稚魚は5ミリくらい。背びれの黒点がはっきり見えました。

委員

確かにタイリクバラタナゴは背びれの前のほうにはっきり黒点が見えやすい。イタセンパラの背びれに浮出後10日くらいで真中あたりにうすく濃く斑が出る。斜め上から見ると目立つ。個体差はあるが、タイリクバラタナゴとは黒点の出方が違います。

委員

稚魚をみたのは6月はじめだったと思います。

委員

15か20匹出ていました。イタセンパラもまじっていないか。全部保護池の水を落としてみたらどうかという思いがします。

委員

保護池の状況を見ると、イタセンパラがいたら立派なサイズに成長するような状態であると思えます。タイリクバラタナゴの写真もあるので、比べて調べると間違えにくい。むしろカネヒラやシロヒレタビラとイタセンパラの仔稚魚はよく似ているので慣れないと見分けが難しい。

委員

調整池の水を全部落とすわけにはいかないか。調整池もガマが増えているが、小さい開水域を広げるような作業をしてもいいのではないか。

委員

確かに開水域が狭くなっているように思えます。

委員

開水域がなくならないようにしていって、保護池は全部水を抜いて魚種の確認をするということをやっていきたいと思います。
魚種確認については、専門家の立会いのもとでやっていきたい。

委員

母貝培養池では、貝が相当繁殖しているが、池を作って砂を入れていい環境ができたが、最近ヘドロが増えてきている。毎年そのままでは良くないかなと思います。環境が変化し、悪化して貝が生きにくくなる状況になっています。

委員

<おっしゃるとおりで、環境が安定してしまうと、二枚貝が生きにくくなります。繁殖もしにくくなります。淀川も重機をいれて環境を改善してやると貝は増えだす。保護池でも毎年は難しくても、人工的な撹乱をした方がいいと思います。水田は毎年の人工的な撹乱により環境が保たれているといえます。

委員

溝だと豪雨などで動くが、池状になっているので、そういう作業が必要だと思う。池の掃除を行い魚種の確認をした方がいいと思います。

委員

夏は魚を触るとストレスを与えやすいので、水温が下がってからのほうがいいと思います。

委員

池の掃除作業の一環として、ソブ水が入りますので、取り入れ口だけ足で歩き濁り水を取る作業を行い小規模な撹乱を起こしています。

委員

毎年やれることをやりながら、大掛かりなことは数年に一回行えばいいと思う。毎年起こる水位の変動に加え、大掛かりな変動が必要です。

委員

そのような意見をどんどん教えてもらえると動きやすい。

委員

あまり神経質にならなくてもいいと思います。

座長

保護池の水抜きによる確認、沈殿物を取り除く作業を行い環境改善するといいと思います。調整池は難しいですが。保護池については、魚が逃げ出さないように工夫をして、魚種の確認をしたらいいと思います。
恒常的に住民の皆さんによる調査が進められているようですので、情報の収集等、地域の方々と行政との連携を密に行っていただくと良いと思います。私にも、疑問点を直接言っていただければお答えします。
また、調整池の環境改善については、二枚貝がいるということもあり排水口周辺のガマの除去だけでも行ったらいいのではないか。
ここまでの調査結果報告などを踏まえて、環境省、愛知県生涯学習課から意見はありますか。

環境省

イタセンパラが確認されていないのは残念なことですが、保護事業に関して協力してまいりたいと考えています。

愛知県生涯学習課文化財保護室

イタセンパラがまだ完全にいないというわけでもありませんし、引き続き調査を行っていただければと思います。

座長

平成20年度の調査方針について、先ほど申し上げた地域の方との連携情報共有についても盛り込んでいただければと思います。事務局お願いします。

事務局

平成20年度の調査方針についてこれまでの経緯を含めながら説明

 平成20年度についても、19年度同様、調整池と河川について調査を継続して行います。
なお、イタセンパラ現状変更許可が、平成20(2008)年8月31日までとなっていることから、5月・6月の調査を踏まえてそれまでの調査結果を報告し、文化庁、環境省、愛知県教育委員会、当保護会議等と協議をしてまりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

委員

調整池のイシガイは全て保護池に持っていくということですが、調整池を完全に見捨てるのではなく、母貝が生きていく状況がある以上、少ない個体を途絶えさすことになるので、一部を動かすということにした方がいいのではないか。

事務局

そのようにいたします。

委員

数について明確な基準はないですが、取り上げた数が分かった中で判断すればよいのでは。

委員

ガマの植生管理について。3年程前にボートにのって刈り取りをやった。来年度の管理としてはどのように考えていますか。

事務局

昨年淀川水系イタセンパラ研究会会長に広域的に調査をしていただいた時の結果で、調整池の水質が非常に悪いということで、可能性が全て無くなったわけではないけれど、貝自体がどこにでもあるわけではないため、保護池に移した方がいいのではないかという話がありました。
ガマを下から全部取るのは難しいが、開水域について人力でやれる範囲でやりたいと思う。

委員

3年前は、ボートに乗って、根元から少し上で刈るという方法で大々的に行った。梅雨時に行った。刈ると、翌年にはより勢いよく生えてくる。やるなら毎年やらないと余計に状態が悪化する。やり方として少し中途半端だったかなと思う。

座長

シナリオとしては、保護池の水抜きをやれれば、夏前もしくは後にするということ。作業・管理については地域の方との連携でしていただき情報収集をしていただくということ。調整池の植生管理は、定期的継続的に進めていく。
問題なのは8月31日までに、イタセンパラが確認されなかった場合、それについての議題は今回ありませんが、結果によっては、今後の保護池の活用方法につきましては、市当局の方針にもよりますが、東部丘陵地に生息している淡水魚類の保護に活用するのもよいのではないでしょうか。次回取り上げられたらいいのではと思います。
今回の会議で上げられた意見について、日程調整など具体的に進めていけばよいのではと思います。

委員

植生管理については、専門的に研究されていると思いますので、どの時期に刈取りをすると効果的かなど、データがあると思います。それに基づいて実施したほうが、少ない労力で大きい効果が得られると思います。

委員

保護池の今後については、淡水魚の保護活用のため、ビオトープとして利用していくことを望んでいます。

座長

植生管理については、兵庫県の丸山川でヨシ等の植生管理について研究されている方がいる。また、ビオトープについては、近隣に小学校もあり学校教育の場としていいのではと思う。市も事業として汲み取って頂いて実現していただければと思う。
最後に情報提供ということで、委員より、淀川の現状についてお話いただければと思います。

委員

淀川の現状と環境改善の取り組みについて説明

事務局

長時間にわたりご審議ありがとうございました。これをもちまして会議を終了させていただきます。

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午後4時00分終了

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